【記事抜粋】
東京都内であった結婚式。新婦が勤める製造会社の社長が主賓のあいさつに立った。
「初めてお会いしたのは、4年前の採用面接でございました。話していくうち、礼節を重んじる誠実な人柄であるとお見受けし、採用を決定いたしました」
このあいさつ、書いたのはスピーチ代筆会社「結婚式スピーチ作成センター」(ニーバーオフィス 和歌山市)のスタッフだ。社長の西山勝之さん(33)が大学院在学中の2006年4月に同社を設立した。
電話で30分ほど、依頼者から新郎・新婦とのエピソードなどを聞き取り、3〜5分ほどのあいさつにまとめる。新郎や新婦に光があたるエピソードを二つくらい盛り込むのがコツらしい。しかし、失敗談など良くないエピソードしか出てこない場合もある。
西山さんは「そんなときは『頼りなかったお前がこんなに素晴らしい嫁さんをもらって晴れの舞台に立っている。本当にうれしい』という感じに持っていくなど、未来につながる内容にするのが腕の見せどころ」という。
07年に約100件だった注文は、08年約270件、09年約340件と右肩上がりに伸びた。依頼主は主賓として招かれた会社の上司や社長が6割、友人が3割だ。「同席者から褒められた」「快く引き受けたが困っていた。大変助かった」などの感想が多いという。
|